2012年03月08日

〜 ”嵐” でおどろう!〜

「杉並区内の全児童館へアート・デリバリー」ついに完了!

〜 ”嵐” でおどろう!〜





Rg8gVprs.jpg 2月4日(土)荻窪北児童館で小学生対象のワークショップを行いました。

講師はパフォーミング・アーティストの風姫(かぜひめ)さん。

年齢、国籍、障がい、経験の有無にかかわらず
「ダンスやアートを楽しむ時間」を創ってる風姫さんとARDAはこれまで、高齢者、5歳児、0歳から2歳までの乳幼児とおかあさん…と本当に広い年齢を対象にオリジナルなワークショップをいっしょに考え実施してきました。

風姫さんいわく
「いつもチャレンジングなことを持ち込んでくるわぁ!!」
その流れを今回も引き継ぐことになりました。

下見をかねて5月に訪問した時、
児童館の先生との雑談から「嵐」を踊ることになりました。
「嵐」とは気象ではなく、人気アイドルグループの方。
風姫さんは即答で「やりましょう!やります!」と言ったのですが、
それから半年間、ワークショップ案をめぐって
揺れたり、凪いだり、砕けたりと、頭の中が A・RA・SHI ………。

やり方変えましょうか?…と、おそるおそる電話した昨年末。
「大丈夫。やれる。やるやる!」と明るい声が返ってきました。

今回のワークショップには心強い協力者がいました。藤島弘美さん。
元祖「山ガール」で、お母さんで、編集の仕事を経て
現在は週に4日(!)ダンススタジオにいるという杉並区民。
昨夏に、藤島さんが所属するスタジオ主催のショーケース(小品を揃えた公演)を
風姫さんと見に行ったのですが、そのスキルはアマチュアレベルではありませんでした。

年明けて1月18日、
風姫さんのホームグラウンドである八王子に集まり、
風姫さんが選びに選んだ曲に<振り付け>と<振り写し>をする会をしました。
参加者はダンスパフォーマンスグループ「蓄光派(ちっこうは)」の
萩原りぼんさん、ももさん、そして藤島さん。
風姫さんの振り付けを写しながら、
藤島さん、りぼんさん、ももさんのアイデアが新たに加わわりました。
メンバーの事情で全員で合わせられたのはこの日の数時間と
実施当日の40分ほどでしたが、基本のダンスが出来上がりました。

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左から ももさん、りぼんさん、風姫さん、藤島さん

いよいよ子どもたちと一緒に。
館内に貼られたポスターのコピーが秀逸でした。
「嵐でおどろう!〜でも本物はきません〜」

土曜日だったので、館内にいた幼児がママを引っ張って飛び入りしたりして
最終的に20人が参加しました。
風姫さん流のゆ〜っくりしたエクササイズのあと、
アップテンポでノリノリなマツジュンのソロ曲「Shake it!」が流れました。
りぼん、もも、ひろみの大人ダンサーズがからだを大きく揺らして先導し、
子どもたちも徐々に動きが大きくなりました。
こうして固かった子どもたちの心と身体をウォームアップ。
(知らない人のために説明しますと、
 マツジュンとは嵐のメンバー、松本潤のニックネームです)

続いて、ホワイトボードを使って、
荻北版の”嵐” を踊るための風姫講師による<振り付けとは?>講義。
歌詞を細かく分節して説明しながら、
言葉や意味を動きに変えて音にのせた基本のダンスを振り写していきます。

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使用曲は最新アルバム『ビューティフル・ワールド』に収められている
「どこにでもある唄。」作詞作曲二宮和也、ニノがソロで歌うバラード。
自分が自分であるがゆえに孤独や疎外を感じ傷つくけれど、それでいいんだ…
生きづらさを共有し、前へ進む勇気を持とうと歌います。

「泣く」「笑う」は動作に合わせた手の振り。
「だ・か・ら」と一音ずつ手を動かしてみる。
「大人になる」は<成長>の意味を示すように下から上へ伸び上がる。

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中高生対応重点館である荻北には
備品としてダンス用に可動式の大きな鏡があるので、
ダンススタジオのようにコーチの踊りを同じ向きで振り写すことができました。
身体だけでなく頭も目も使って、集中して一生懸命で、
休憩を挟むのを忘れてしまいました。

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途中参加もあれば離脱もありましたが、少しずつ形に。
部分的に「自分らしい」動きを考えてもらいました。
盛り上がっていく曲のラストは、歌詞に合わせて自由に飛び回り、
中央に集合して、それぞれ決めのポーズでフィニッシュ。

流行のヒップホップ系ではないのに、
「はぁ〜疲れたぁ〜」
みんな汗びっしょりになりました。

で…も…「物足りなかった〜〜」そうです。

「もっとやりたい!」

これは大人ダンサーズの方からも。

「やっと身体が動いてきたところでおしまいで残念」
「もっと時間をかけてやりたい。定期的にできないかな?」

今日が杉並区内の児童館でのワークショップのラストワン…
「ええぇ〜〜〜!!」

       * * *

小学生が集まる施設にワークショップを届けようと
和泉児童館で開発好明さんの「飛ばないタコ」を実施したのが2001年11月。
この時はまだNPO法人ではありませんでしたし、
区内全部の児童館、41カ所を回ることを目標としていませんでした。

杉並区立児童館は、
小学校区に対応するように徒歩15分以内で利用できる場所に、
安全に考慮して、区内くまなく設置されています。
杉並の福祉&教育政策が生んだ、誇るべき「地域資源」。
法人化して4年目から<全館>を意識しました。

杉並区の児童館で就業経験がある副理事長の安井節子が
児童館に直接働きかけて実施先を重複がないように広げ、
1児童館1アーティスト1プログラムを原則とし、
ディレクターの篠原誠司さんが若いアーティストを中心に声をかけてくれました。
自己資金に加え助成金や協賛金をとりながら、ゆっくりじっくり。
リクエストで2度3度訪問した児童館もあって、
41館に対し実施したワークショップは45回。
美術造形から写真、ダンスに唄づくり、アニメーション制作、
昭和初期の無声アニメーション映画にライブで音楽演奏も挑戦しました。

西荻南児童館.jpg

杉並限定の、参加者も多い時で30人ぐらいのささやかな活動でしたが、
小学生対象のワークショップはその後、
港区の保育園の子どもたち、児童館、親子を対象するワークショップにつながり、
子育て支援を目的としたワークショップへ広がりました。
また、杉並発のワークショップがアーティストの作品の1つとなって活動を広げ、
国内外各地で再度実施されているものもあります。

ワークショップをきっかけに、区内のNPO法人の助成金に応募したり、
コミュニケーターを区内で公募したり、ママ友をスカウトしたり、
材料を提供していただいたり、地域の人ともたくさん知り合いました。

最後の年は、ARDA以外の人や組織と協力・連携しました。
劇団夢現舎(げきだんむげんしゃ)と「かっこいい時代劇」をつくり、
遊工房アートスペースと児童館に<宇宙>をつくり、

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ARDAが企画運営した区民講座が発展した「いろはにほん画さゆり会」に導かれて、
ユニークな風貌の、子どもを引きつけて離さない書家と出会い、
古典落語を媒介に法政大学国際文化学部稲垣研究室と<地域>の記憶を残し、
そして区民、市井のアーティストといっしょにダンス創作…

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       * * *

かくして杉並児童館プロジェクトは完了。
関わって下さったみなさま、本当にありがとうございました。
10年余にわたり続けてきたこと、そこで生まれたもの、育まれたもの、
「芸術資源」の意味を再考し、次なるプロジェクトへ向かいたいと思います。

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posted by ARDA at 17:01 | アートデリバリー(児童館)