「ちぎってスッキリ!ペーパーワーク」
(今川児童館/1月22日)
2010年度から始めた乳幼児とその保護者を対象とした
<親子でいっしょにアートデリバリー>、
今年度は中央区子ども家庭育支援センターとの協働事業の関係で
杉並区内での活動はしばらくお休みしてましたが、
杉並の子ども、子育て関連事業を支援する
NPO法人未来をつなぐ子ども資金の助成を受けられることになり再開しました。
当日集まったのは21組の親子。
2〜3歳児を中心に0〜3歳まで乳幼児27人のとその保護者21人、合計48人。
(0〜1歳 6人/2〜3歳 21人)
遊戯室いっぱいに、児童館にある大きな紙をたっくさん広げて紙の海を作りました。
入って来ると「うわぁ〜」、子どもたちは目を大きく開いてビックリです。
好きな紙を選んで、親子で両端を持って、ゆらしたり、上下させたりしているうちに、
あっちからこっちから「ビリ、ビリビリ・・・」と破ける音。
お腹とお腹の間に紙を折り込むように親子で「抱きしめ〜〜」、
次はボールみたいに丸めて、キャッチボール。
そうやって、クッシャクシャになった紙をやさ〜しく広げて、
お手々のアイロンがけでシワのばし。
こうして柔らか〜くなった紙を親子で協力して
ゆっくり裂く。細〜く裂く。素早く裂く・・・ビリビリ、ビリビリビリ、ビリっ!!!
あっという間に、紙やぶり大会に様変わり。



紙の海はビリビリに裂かれた紙片のプールになりました。
子どもたちは水しぶきをあげるように紙片の束を放りあげたり、ダイブしたり、
パラパラ降らせたり、水遊びのように大はしゃぎ。
紙を口にあててビィービィーしてみたり、
目にあてて「おめんだよ〜」、髪につけて「リボンだよ」・・・
そうやって「見立てあそび」が自然と始まりました。
ここで、ワークショップを指導する美術家の早川陽子さんが
2歳になる息子さんといっしょにつくったものを見せました。
Gに見えるから「グッジョブ!」「しんかんせん」「おにぎり」、
大きかった紙から表れたカタチは、
カラーマスキングテープでタコ糸を貼付けて垂らすとゆらゆら揺れるモビールになります。
親子でモビールづくりが始まると一気に静かに、集中したムードに変わりました。
トレーシングペーパーのクラゲ。ピンクのクタクタ、フワフワになった柔らかい紙はウサギ。
紙片の中央にタコ糸を留めて「ひこうき」「くも」・・・確かに浮遊感。すごい!
ビリビリの中から見つけ出したカタチについて、ママや私たちに一生懸命説明してくれました。
最後にみんなで「にんげんそーじき」になって、
遊戯室をきれいにしました。約1時間のプログラム。
あ〜スッキリしたーーーー

おねえちゃんやおにいちゃんが楽しそうだと、
0歳のねんねの赤ちゃん達は、その姿を見ようと、だっこやおんぶから身を乗り出しますし、
目玉がクルクルよく動き、そしてニッコリよく笑います。そうやって直感的に参加します。
そういえば、早川さんの息子さんがまだ5ヶ月だった時に
上井草児童館の巨大お絵描きワークショップ(2011年3月)を親子で見学に来たのですが、
紙の上にいる時はニッコニコ、飽きただろうとベビーベッドに寝かすと大泣き。
だから、紙の上に寝かせて、その回りをトレースして、絵の中に参加してもらいました。

1歳児は「真似」で参加します。
それも、こっそり真剣に。気づかないぐらい自然に。
小さいなりにビリビリしたり、フワフワさせたり、そーじきにもなりました。
発達段階が違っても、大人がちょっと工夫したり助けてあげれば、
月齢や年齢なりの動作の真似や言葉のリフレインが起こります。
乳幼児でも、親子いっしょなら、そのコミュニケーションが造形活動につながります。
今回も紙片のかたちをめぐって、親子で親密な会話があっちでもこっちでも起こっていました。
さて、次はいかに?
今川児童館に近接する上井草児童館で、4月以降に実施する予定です。
早川陽子さんとともに、身近にあるものを活かして、
シンプルで発見のあるワークショップを開発していきます。